□■取扱商品■□全体ガイド先物取引の仕組み(定義) 商品先物取引とは、(1)ある期日に、(2)ある商品を、(3)契約した価格で、買うまたは売る取引で、買いの場合も売りの場合も取引を開始する時点で証拠金を預け入れて行ないます。損金が発生した場合には、この証拠金から損金が差し引かれ、利益が発生すると、証拠金に利益を加算した金額が返金されます。 (受け渡し決済と差金決済) 商品先物取引は約定した価格で、約定した量の現物を受け渡しすることができますが、ほとんどの場合は買いで取引したら転売して取引を終了し、売りで取引したら買戻しして取引を終了します。これを手仕舞い、または仕切り、落ち玉といいます。取引を始めることは建ち玉(たちぎょく)(新規建ち玉)といいます。 商品の値上がりを予想する場合には、買いで取引(建ち玉)し、売って取引を終了(落ち玉)します。商品の値下がりを予想する場合には、売りで取引(建ち玉)し、買って取引を終了(落ち玉)します。商品先物取引ではこのように、値上がり予想、値下がり予想のどちらでも取引することができ、建ち玉したときと反対の取引をして終了することを反対売買といいます。そして、買った値段より高い値段で売ると利益となり、逆に買った値段より安い値段で売ると損失となり、買い値と売り値の差額が利益あるいは損失となります。これを差額決済(さがくけっさい)とか差金決済(さきんけっさい)といいます。 (取引規定) 商品先物取引は全て取引所で行なわれ、取引所が定めたルールにしたがって取引します。商品先物取引で売買する商品は銘柄といい、それぞれ取引できる期限や、価格の表示方法、取引単位が決められています。 (限月) 商品の現物を受渡しする期日のある月を限月(げんげつ)といい、限月ごとに最終取引日(納会日(のうかいび))があります。たとえば、インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)という取引所に上場される砂糖は、3月限(がつぎり)、5月限、7月限、10月限の取引が行なわれています(※注) (価格単位) 価格表示の方法は「肉100gで○○円」というように、数量単位あたりの価格が使われています。たとえばニューヨーク商品取引所(NYMEX)で上場されている原油の取引をする場合、原油の数量単位として「バレル」(1バレルは159リットル)という単位を使いますが、「1バレルあたり価格60ドル」とか単に「60ドル」といった表示の仕方になります。 (売買単位) だからといって、取引所では1バレル単位で取引されるわけではありません。商品先物取引では取引所で定められた売買単位があります。売買単位とはある銘柄を取引する際に用いられる数量単位をあらわします。 (倍率) これに関連して倍率という言葉も用いられます。倍率とはある銘柄の値動きに対して、何倍の損益が発生するかを意味します。NYMEX原油は1枚1,000バレル単位で取引されることはすでに触れましたが、このことは見方を変えると、もし1バレル60ドルで買った原油が1ドル上がり、つまり61ドルで売った場合、1枚(1,000バレル)の建ち玉でちょうど1,000ドルの利益が生じることを意味します。逆に1ドル下がった59ドルで売った場合だと、1枚の建ち玉で1,000ドルの損失となります。このように原油の場合、1ドルの値動きで損益額が1000ドル変化します。倍率を知ることで、値動きに対して何倍の損益が生じるかを知ることができます。例に挙げた原油の倍率は1000倍ということです。 (証拠金) 商品先物取引に代表される特徴的な制度として、証拠金制度が挙げられます。建ち玉する時に、買いの場合も、売りの場合も、仮に取引で損をしても、その損金を支払う能力があると保証する担保の意味合いで、取引を仲介する業者を通じて証拠金を預け入れなければなりません。必要な証拠金の額は取引所が定める額に枚数を掛けた金額ですが、もちろんそれ以上の金額を預け入れることも可能です。また、仲介する業者は、取引所が定める以上の証拠金差し入れを求めるのが一般的です。 (値洗い) もうひとつ特徴的な制度として、値洗い(ねあらい)制度があります。値洗いとは建ち玉したときの成立値段(約定(やくじょう)価格)とその日の最後につく値段(「引値(ひけね)」とも「帳入れ値(ちょういれね)」ともいいます)の差額に倍率をかけて、さらに建ち玉の枚数をかけ合わせて計算するもので、いわば建ち玉の評価損益にあたります。商品先物取引では、この値洗いのマイナス分(値洗い損)がある程度以上に膨らむと、取引所や取引の仲介業者から、基本の証拠金とは別に追加資金の預け入れを求められます。この追加資金のことを追加証拠金といいますが、「追い証(おいしょう)」とも呼ばれます。 (呼び値) もともと商品先物取引はハイリスク・ハイリターンの取引です。NYMEX原油は0.01ドルを最小単位(この単位のことを「刻み」または「呼び値」といいます)として値段が変化します。値段がわずか0.01ドル変化するだけで、損益10ドルが生じます。1ドル120円で換算すると、1,200円の違いです。 先物取引の損益パターン![]() 買い建ちの場合11月15日にNYMEX原油2月限3枚を60ドルで買い建ちしました。 <ケース1> 11月30日に65ドルに値上りしました。![]() <ケース2> 11月30日に55ドルに値下がりしました。![]() 売り建ちの場合11月15日にNYMEX原油2月限3枚を60ドルで売り建ちしました。 <ケース1> 11月30日に65ドルに値上りしました。![]() <ケース2> 11月30日に55ドルに値下がりしました。![]() 追い証が発生するケース、しないケース![]() 図1で見たとおり、買い建ちの場合、市場価格が買い約定値より下がると値洗い損となり、売り建ちの場合は市場の値段が売り約定値より上がると値洗い損となります。追証は値洗い損が必要証拠金に対して50%を上回るか、有効証拠金が必要証拠金の50%を下回った段階で必要になります。 追証で預け入れが必要な金額は、有効が必要証拠金と同額またはそれを上回る額を回復できる金額です。必要証拠金が1万ドルとすると、値洗い損が5,000ドルを超えた時点で追証が掛かります。 値洗い損が 5,500ドルだった場合、5,500ドルを差し入れて有効を元の1万ドルにいったん戻す必要があります。 このような値洗いと証拠金額との関係を、図2の価格シミュレーションを使って、さらに具体的に説明していきます。 買い建ちの場合<ケース1> 11月30日に65ドルに値上りしました。![]() ですが、原油が55ドルに下がった場合、図1で示したとおり値洗い損が15,000ドルで、必要証拠金合計額の半額以内におさまっているため追証は発生しません。 ![]() となり、24,000ドルの損となります。この場合、必要証拠金の半分にあたる15,000ドルを超す値洗い損のため、追証として値洗い損と同額の24,000ドルを預託する必要があります。 以上の説明を買い建ちしたときの値洗いと証拠金と関係を示すグラフとして表すと、下図のようになります。 ![]() 売り建ちの場合<ケース1> 11月30日に65ドルに値上りしました。![]() ですが、原油が55ドルに下がった場合、図1で示したとおり値洗い損が15,000ドルで、必要証拠金合計額に半額以内におさまっているため追証は発生しません。 ![]() となり、24,000ドルの損となります。この場合、必要証拠金の半分にあたる15,000ドルを超す値洗い損のため、追証として値洗い損と同額の24,000ドルを預託する必要があります。 以上の説明を買い建ちしたときの値洗いと証拠金と関係を示すグラフとして表すと、下図のようになります。 ![]() このほか、暴騰暴落による市場での混乱を防ぐため、取引所では銘柄ごとに値幅制限が設けられている場合があります。つまり前日引け値を基準とした一定範囲内に値動きが抑えられています。この範囲の上限、もしくは下限に達した状態をそれぞれ「ストップ高(だか)」(制限高(せいげんだか))、「ストップ安(やす)」(制限安(せいげんやす))といいます。 |
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